偏光膜とは偏光サングラスの核となる重要なもの!
超視界の秘密は、ヨウ素にあった。

偏光サングラスと普通のサングラスとの違いを知るとひとつ疑問が生じる。
見た目は変わらないのに、なぜ偏光膜があると視界が良くなるのか。
それは、中学生の時の理科の実験に使っていた薬品にヒントがある。

「ヨウ素デンプン反応!あの青紫色にデンプンが染まる薬品か!」

中学生の時に何度か、ジャガイモからデンプンを採取してヨウ素を使って反応を観察したことがあるでしょう。
その物質にデンプンが含まれていれば、デンプンが青紫色に変色する実験です。
学生のうちは、ヨウ素を変色反応でデンプン検出を確認する薬品としか考えていなかったかもしれません。

しかし、ヨウ素は日常に便利な視界を提供してくれる成分でもあった!

偏光膜はヨウ素分子の膜だった

偏光膜とは、偏光レンズ内に挟まれているヨウ素分子膜です。
つまり、偏光レンズには2枚のレンズ間に偏光膜と呼ばれるヨウ素分子が塗られているフィルターが挟み込まれている。
偏光膜はヨウ素が一定方向に配列されており、ブラインド状になっています。

偏光膜がブラインド状になっているため、偏光膜と同じ方向の波長を持つ光を通します。
一方で、偏光膜のヨウ素分子列と違う方向の波長を持つ光はカットされて通過できません。
これが偏光サングラスの視界の良さの秘密です。

具体的には、偏光サングラスのレンズには偏光膜の格子が横方向に配置されております。
したがって偏光グラスは、横方向の光は通しますがその他の方向に光は通過させません。
偏光サングラスで水面やフロントガラスの映り込みが消えて良い視界になる理由は、これらが上下方向の雑光だからです。

実は偏光膜は自作できる

偏光膜は、自分で作ることも可能です。
必要な道具や材料もいたって普通に準備ができるものとなっております。
偏光膜を作る材料は、「紙・ハサミ・容器・PVA洗濯のり・ヨウ化カリウム6g・ヨウ素1g・水200ml」です。

偏光膜を自作する手順は、初めに容器に薄く洗濯のりを入れて十分に乾かします。
乾燥してペラペラの薄い板状になった洗濯糊を容器から取り出して、加熱しながら板の両端を引き延ばします。
延びった板の中央からハサミで切り、余分な端も切り落とします。

そして、ヨウ素とヨウ化カリウムを200mlの水に溶かして水溶液を準備します。
このヨウ化ヨウ素水溶液に出来上がった板を10秒間ほど浸け込むと、偏光膜の出来上がりです。
最後に水溶液から偏光膜になった板を取り出して、紙で余分な水分を取ってあげてください。

うまく偏光膜を作ることができれば、自作偏光レンズとして楽しむことができます。
また、自作した偏光膜は市販されている偏光レンズと比べて形状的に歪みのある板になります。
つきましては自作偏光膜では、雑光はカットできても偏光サングラスと同等の綺麗な視界の確保は難しい傾向にあります。

まとめ

  • 偏光膜とは偏光サングラスの核
  • 超視界の秘密は偏光膜のヨウ素分子
  • 偏光膜のヨウ素はブラインド状である
  • 偏光膜は自分で作ることが可能だった