偏光サングラスの無色透明レンズはありませんか?
どうして透明の偏光レンズが作れないのか理解できる。

偏光レンズは、不必要な雑光をカットしてくれる高機能レンズです。
普通のサングラスのように、偏光レンズも無色透明があると思いがちです。
現在の技術では、未だ無色透明の偏光レンズを作り出す事が出来ないこともまた事実。

「透明の偏光レンズは、透明なブラインドで光を遮光するようなものか!」

部屋にいて、窓からの西日が眩しい時にブラインドをする方は多いでしょう。
もし、ブラインドが無色透明だったら眩しい光をカットできるだろうか。
ご想像通り、透明のブラインドをかけても強烈な光は入ってきてしまいます。

残念ながら現在の技術では、窓から入ってくる直射日光を透明のブラインドで遮光することができません。
ブラインドは、窓から入る直射日光を遮光するフィルターの役目をしております。
一方、偏光膜は自然光を通して雑光のみをカットするフィルターの役目をします。

偏光フィルターは、高機能なブランドとイメージしてください。
偏光サングラスの透明レンズは無くても、色の薄い偏光レンズは存在する!

色が薄いと、なぜ偏光度は低くなるのか


これまでのご説明で、偏光サングラスの透明レンズは作ることができないことがわかりました。
しかし偏光レンズには多種多様な色があり、レンズの濃淡も豊富です。
実はレンズの色が濃い偏光サングラスは、偏光度が高く雑光カット率が良いです。

一方で、レンズの色が薄い偏光サングラスは、偏光度が低く雑光カット率は低下します。
偏光サングラスの透明レンズの代用として、レンズ色の薄いタイプを選ぶことができます。
濃い偏光レンズと比べると、偏光度は下がる傾向があるものの偏光機能はあります。

では、なぜレンズ色が薄いと偏光度が低くなるのでしょうか。
偏光膜は、ブラインドのフィルターのような物です。
ブラインドのフィルターを限りなく透明に近づけると、ブラインドは光を遮光できません。

これと同様に、偏光フィルターの隙間を広げて続けていくと徐々に透明に近づきます。
つまり、偏光膜の間隔が広がれば広がるほど透明部分が多くなり偏光機能が低下します。
偏光膜の疎密によって、偏光レンズの色の濃淡が決まってきます。

薄い色が低機能という訳ではない


偏光サングラスのレンズ色を薄くする事は、偏光膜の密度を下げる事です。
逆に言うと、薄い色の偏光レンズは偏光度を高くしにくい特性があります。
したがって色が薄いという事自体が、低機能という訳ではありません。

偏光度に拘りがない方は、活用シーンやオシャレとして薄い偏光レンズを使ってみるのも良いでしょう。
偏光度が低くとも、偏光機能そのものはしっかりしています。
また、最近では色の薄い偏光レンズで徐々に偏光度を高める技術が発展してきています。

まとめ

  • 偏光サングラスの透明レンズは作れない
  • 薄い色の偏光レンズは、偏光度が低くなる
  • 薄い色の偏光レンズは、低機能という事ではない
  • 最近では、薄い色の偏光レンズでも偏光度が高まっている